経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

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2015.02.26

ピエール瀧が演じる広報官が楽しみです

横山秀夫の警察小説「64(ロクヨン)」が立て続けに映像化されます。この4月からNHK総合で毎週連続5回のドラマとして放送され、2016年には前後編2部作で映画が公開される予定です。

以前にもこのブログの「外に向かって開かれた窓」で紹介しましたが、「64」は架空の地方県警を舞台に起こった2つの誘拐事件を主人公の広報官の視点で描いた物語です。加害者の匿名問題で記者クラブと広報室が対立したり、組織内では刑事部と警務部(広報室が所属する部門)が情報の出し方をめぐって対立したり、組織とメディアの狭間で広報官はどんなことを考え、どのように行動するのか。

幅広い読者を魅了する警察小説ですが、特に、広報を仕事にしている私たちにとっては、思い切り感情移入して読めます。最近文庫化されて手に取りやすくなりました。わたしは、「立場を異にする攻略的な関係であっても、面と向かうその瞬間、瞬間に一握りの信頼感を持ち寄りさえすれば、双方が許容しうる落としどころが見つかる」というフレーズにびりびりきます。

4月からのNHKのドラマは、古くは松本清張シリーズや山田太一の男たちの旅路シリーズ、近年ではハゲタカや同じ横山秀夫原作のクライマーズハイなど数々の社会派ドラマが輩出した名門枠の土曜ドラマで放送されます。主役の広報官を演じるのはピエール瀧です。NHKはこの配役について「昭和な顔」にこだわったそうですが、わたしは、これまで数々の助演をこなしてきた独特なパーソナリティーの役者が、組織の助演としての広報を主演として演じるということに、とても意味を感じます。

広報という仕事が世の中で認知されるようになり、一部には華やかなイメージを持っている人も少なくないようですが、実際は、辛抱強く手間ひまを惜しまずに、こつこつと畑を耕してはじめて実がなり収穫できる、農耕型の地道な職務という側面のほうが大きい仕事です。主演者である会社や組織を社会から正しく評価してもらうために、助演者として自分からどう動くかが問われる仕事だと思います。

助演といえば、先日NHKの「SWITCHインタビュー 達人達」で糸井重里と対談した中井貴一が、亡父・佐田啓二のエピソードを語っていたのが印象的でした。佐田啓二がブルーリボン賞の主演男優賞を受賞したとき、「今度は助演男優賞をとれるようにがんばります」とスピーチした。家に帰ったら妻(つまり中井貴一の母)に「キザね」と言われた。それに対して佐田啓二は「主演男優賞は立っているだけで取らせてもらえる、助演男優賞は自分で動かないと取れないんだ」と言った、という話です。

ピエール瀧は2013年に、「そして父になる」「凶悪」「くじけないで」でブルーリボン賞助演男優賞を受賞しました。どんな動く広報官を見せてくれるのか楽しみです。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

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