経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

ブログ
2012.05.02

ピンチのときこそ広報の出番

ゴールデンウィークになると思い出すことがあります。

今はなきサン・マイクロシステムズ日本法人で働いていた10年前の2002年5月2日に、米国本社のナンバー2であったエド・ザンダーCOOが退任した。海の向こうの役員人事とはいえ、当時のサンはそれなりに注目されている企業だったし、COOも来日したときは必ず記者会見したりインタビューを受けたりして日本のメディアとも交流していたので、ゴールデンウィークの谷間にもかかわらず多くの問い合わせがあった。業績が下がりはじめた矢先の実力者COOの退任という事実は、日本のメディアにも少なからずマイナスの印象を与えた。

わたしは1996年10月から2005年1月までサンで広報を担当した。在籍期間の前半分は上昇期、うしろ半分は下降期という逆V字期間だったのだが、ピンチのときこそ広報の対応が試されると後になって痛感する。

広報部内で徹底しようとしたのは、「業績が芳しくないときこそ正確な情報を適切なタイミングできちんと出すことを強く意識する」、ということだった。会社の現状を考えると躊躇してしまいそうなテーマの取材も、ピンチをチャンスに変えられるメッセージの出し方を考えて対応するように心がけた。社内のスポークスパーソンたちも協力してくれた。グルーヴ感があった。

反対に、調子のいいときは社内も押せ押せムードなので、広報部門は意識的にちょっと冷静になってみる必要がある。広報のとる態度は、反対が正解なのダ。

もちろん、すべて広報部門の考え通りにできたわけではない。業績が回復しない時期が続くとサンの社内も情報の出し方が消極的になっていった。前にもちょっとしたエピソードとして書いたことがあるけれど、2003年のスコット・マクニーリーCEO来日のときにはテレビも含むアグレッシヴな活動を準備していたにもかかわらず、最終的には社内を説得できずトップの発言を最大限に生かすことができなかった。

広報とは企業の器をみせるものだと思う。広報部門は、ビジネスの調子が悪いときこそ情報発信の手を緩めない姿勢で仕事に取り組みたいものです。

ところで、ピンチといえば窮地とか苦しい状況ということですが、スマートフォンやタブレットPCなどで親指と人差し指を開いたり閉じたりする動きをあらわす言葉もピンチ。アップルがiPodやiPhoneで使い出したんだそうです。サンがアップルを買収しようとしていたなんて、もうだれも覚えてないと思いますが、アップルは文字通りピンチをチャンスに変えた企業です(なーんて)。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

上に戻る↑

会社情報

広報・PR主導のコンテンツ駆動型コミュニケーション

わたしたちからのメッセージ

正確でわかりやすい情報を社会に発信することは、いまや企業の経営を強くする上で最優先に考えなくてはならないものとなりました。これは、民間企業だけでなく、組織の運営基盤という観点から大学をはじめとする教育機関や公共機関にもいえます。その一方で、メディアの多様化により情報発信の方法は手軽になりましたが、発信する情報の質がより一層問われる時代になったと感じます。

プラスワンコミュニケーションズの特徴は、この発信する情報の中身(コミュニケーションコンテンツ)をお客様といっしょに徹底的に考え、訴求シナリオを作り、戦略的なコミュニケーション活動の具体的な施策を立案できることです。


…続きを読む »

ブログ

IBM新本社を訪ねる

日本アイ・ビー・エムの新本社を訪ねた。虎ノ門にある。

ぼくは1991年から96年までIBMの箱崎事業所に勤務していたが、 …続きを読む »

お知らせ

18年

昨年はプロ野球の阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝し、余勢を駆って日本一になりました。 …続きを読む »

ブログ

広報の仕事の入出力モデル

広報の仕事、とりわけマスメディアとの関係性を説明するとき、基本的な考え方や具体的な事例だけでなく、y=ax という関数を下敷きにした説明を加えるようにしている。広報のように毎日さまざまな相手と込み入った案件を扱う仕事を理解するには、その仕事の内容をいったん抽象化することで本質を捉える必要があると考えるからだ。 …続きを読む »

ブログ

吉田に久蔵を見た

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が日本の優勝で幕を閉じた。1次ラウンドの韓国戦こそちゃんと観戦できなかったが、今日の決勝まで、どの試合もエキサイティングなイベントであった。 …続きを読む »

ブログ

生成AI

生成AIがにわかに表舞台に飛び出してきた。先日テレビで見たオードリー・タンと落合陽一の対談でも、2人ともChatGPTを使っていると言っていた。わたしも影響されて早速Bingで登録、先日から使えるようになった。 …続きを読む »

お知らせ

歳末の候


2022年も暮れようとしています。とにかく時があっという間に過ぎる。 …続きを読む »

お知らせ

20年を目指します

当社は今年度、おかげさまで17期目を迎えることができました。 …続きを読む »

会社情報

会社概要

オフィスの住所が変わりました。

会社名

株式会社プラスワンコミュニケーションズ
PlusOne Communications, Inc

事業内容

広報コンサルティング事業およびコミュニケーション活動支援事業

設立

2006年5月 …続きを読む »

サービス

サービス内容

25年以上にわたる広報・マーケティングの経験を生かし、次のようなサービスをご提供します。

・広報コンサルティング
・プレスリリース作成
・ユーザー事例コンテンツ作成
・イベント/セミナーレポート作成
・翻訳/トランスクリエーション
・講師

ブログ

奴雁の役割

福沢諭吉は、イギリス型議会政治の実現に向けて立憲改進党を結成したばかりの大隈重信に政治家への転身を促されたが、在野の言論人をつらぬいた。このような決断のバックボーンには、福澤の「学者は国の奴雁なり」という考え方があるということを知った。 …続きを読む »

ブログ

「地方紙は死ねない」

NHKのドキュメンタリー番組でおもしろそうなものはかたっぱしから録画するのだが、ついついたまってしまう。別に時間がないわけではないのに、その時には絶対見なきゃと思っていたもの、例えば盛夏に放送される戦争関連のドキュメント、などは放っておくとタイミングを逸してハードディスクに置きっぱなしになる。 …続きを読む »

お知らせ

設立15周年を迎えてました

うっかりしていましたが、当社は今年5月で設立15周年を迎えました。

2006年と言えばふた昔前の00年代。平成の18年。ぼくの世代が懐かしむといえば昭和ですが、 …続きを読む »

上に戻る↑

プライバシーポリシー | サイト利用規約