経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

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2011.02.03

「取材拒否」という文字の威力

「フード・インク」という映画を観た。アメリカの大手外食チェーンやスーパーマーケットや食品加工会社が、農業や畜産も取り込んで構築した巨大なフードシステムの裏を取り上げた、昨年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作。

映画評はぜんぜん書けないので他に譲るとして、ここでは当サイトらしい話題でいきます。映画の内容はこちらの公式サイトで。

「フード・インク」はドキュメンタリー映画なので、実際の取材映像を中心に全編が構成されている。大手企業のシステムに組み込まれてしまった契約農家、有機農法を実践している農家、野菜より安いハンバーガーに頼って糖尿病をかかえる低所得者、ハンバーガーのO-157で幼い息子を亡くした食の安全活動家、などなど。インタビューを重ね、真実に迫ろうとする。

残念ながら、もう一方の「主役」である外食チェーン (主にハンバーガーチェーン) や食品加工会社は取材に応じていない。

この映画はいくつかテーマごとにチャプターに分かれた作りになっていて、チャプターが終わるごとにテキストでメッセージを伝えてくる。同時に、たとえばこのようなテキストもスクリーンにあらわれる。

「Tyson declined to be interviewed for this film.」

チャプターごとに大手の食品加工会社や遺伝子組み換え作物の会社などの「主役」が主語に入る。Tyson, Smithfield, Monsantoなど日本ではあまりなじみのない会社なのですが。

日本での上映では、「~社は取材を拒否した」という字幕 (だったと思う。最近めっきり記憶力が。。。) がバーンと出る。漢字というのはなんと雄弁なのだろう。「取材拒否」という文字は問答無用でマイナス光線を放ってくる。

あのウォルマートだけがカメラを拒否せずに農家を訪問する場面がでてくるのだが、悪いイメージが少しばかりやわらいで、公正な目で見る環境が整う。

映画の大スクリーンやテレビでなくて、紙・誌面でも同じ。やっぱり、「説明しない」という選択はリスクを大きくするだけだなあ。場合によっては「逃げている」「隠している」とたいして変わらないです。

この映画は「食の社会見学」という企画のアメリカ編で、もう一本ヨーロッパ編としてオーストラリアのドキュメンタリー映画「ありあまるごちそう」も今月公開予定です。こちらも楽しみにしています。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

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