ここ1ヵ月の間、名古屋、大阪、東京で企業や各種団体の広報担当者の方々に向けて、メディアリレーションズを中心とした広報の話をしてきた。
広報の仕事のやり方は、十人十色、百人百様、千差万別。それに、扱うコンテンツや人間関係、タイミングなどで情報の出し方もアウトプットもいろんな形に変化する。
だから、広報の仕事はこうです、なんていう話はなかなかできないのだが、それをわかったうえで、自分が実際に経験したことを土台に「私流」の広報の考え方や方法をお伝えして、受講者の方々の実務のヒントにしていただこうという趣向でやっている。
今回の一連の講義において自分の中でテーマに据えたのが、「次につなげる」。
プレスリリースを発表したけれど記事にならなかった、記者発表会にあの媒体の記者が来てくれなかった、取材を受けたけれど意図と違う記事が掲載されたなど、特に芳しくない結果に直面したときにこそ、次につなげるにはどうしたらいいのかという視点で物事を考え行動するのが広報である。
プレスリリースが記事にならなければ、どういう情報を追加すればいいのかを考える。追加取材してもらえる可能性があるかもしれない。ちょっと意図と違う取材記事が出たら、記者と会って理解を深めてもらうチャンスととらえる。
もちろん、そうならないように普段から準備をするのだが、この仕事はアウトプットが自分でコントロールしきれないところに難しさがある。それが面白味でもあるのだけれど。
次につなげるにはどうすればいいかを考え、そして行動する。広報の仕事はこれの繰り返しなのです。