干支ひとまわり分

約12年間担当した宣伝会議主催のメディアリレーションズ実践講座の講師を3月末で降壇した。講師の仕事にはとてもやりがいを感じていた。しかし、時が経過してぼくの仕事内容にも少なからず変化があり、講座名にあるメディアリレーションズ=マスコミ対応の現場からは離れるようになった。

 

もちろん、マスコミ対応の仕事には一定の普遍的な要素があり、ぼくの講義内容が完全に古くなったわけではないと思う。メディアや企業広報を取り巻く環境の変化に応じて、話す内容のブラッシュアップもコツコツとやってきた。でも、コロナ禍をはさみ、またSNSの影響力を無視してメディアリレーションズを考えられなくなったことから、こうした厳しい状況下において組織の広報として実務を経験された方のほうが講師にふさわしいと考えたのである。

 

現在もお客様にメディアリレーションズについてアドバイスすることはあるが、仕事の柱はライティングに移行した。お客様の求めに応じて広報やマーケティング向けのいろいろなコンテンツを執筆するようになり、それが自分にとっておもしろく、心地のよい仕事に思えたので、いつの間にかライティングを中心に自分の仕事を組み立てるようになった。

 

干支ひとまわり分の講師経験は、かけがいのない経験となった。依頼を受けてから、呻吟して講義内容を構築し、半酸欠状態で2時間の講義を終え、終わらない質問者の列に感謝した初回の講義のことは忘れようにも忘れられない。

 

ぼくを見つけてくれた宣伝会議と熱心に話を聞いてくれた受講生のみなさまに、深謝いたします。