経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワン・コミュニケー ションズ

ハイライト
2012.05.09

たかがクリッピング、されどクリッピング

広報には物事を俯瞰する力が必要です。ではどうやって俯瞰力を鍛えればよいのでしょうか。初級編として、毎日の新聞や雑誌のクリッピングが有効です。

ネットのニュースは速報性に優れているので、情報を早く収集するのに重要です。情報参謀としての広報は耳が早いことも求められます(もちろん、ソーシャルメディアの活用も)。

一方で、新聞や雑誌は、限られた紙・誌面の中で複数の記事が重み付けされた上で整理されています。どんなニュースがどんな大きさでどんな位置に置かれているのか。自社の記事が出ていれば、他の記事と比べてどんな扱いなのか。自社の記事が載っていなくても、業界ではどんなニュースが大きいのか小さいのか。別の業界ではどんなことが話題になっているのか。

クリッピングサービスを利用すると、朝出社したらFAXなどで切り抜きが届いているので便利な面はあります。記事の利用という意味では著作権の問題もクリアされています。契約によって、経営者や社員の業務に役立つ情報として提供できるので、必要に応じて利用すればよいでしょう。

しかし、切り抜かれてしまった記事は、広報担当者にとって半分の意味しか持たないのではないかと思っています。記事の内容だけでなく、その記事を含む紙・誌面全体がつくるアトモスフィアをつかむことが肝心要です。

クリッピングはただの事務作業ではありません。視野をひろげたり視点をふやしたりする大事な訓練なのです。ニュース素材の切り口をみつける力も養うことができます。だから、毎日広報担当者自らが作業することをお勧めします。毎日やっていればいつのまにか広報人としての基礎力がつくことになると思います。

ところで個人的かつローカルな話ですが、中学生になるとき千葉から徳島に引っ越しました。1980年のことでです。徳島といえば踊る阿呆に見る阿呆の阿波踊りが有名なのですが、当時同じくらい県民を熱狂させたのが池田高校です。

攻めダルマといわれた蔦監督率いる池田高校は、1982年の夏の甲子園で打って打って打ちまくり、準々決勝では荒木大輔の早実を14-2、決勝でも堅守の広島商に12-2の大差で勝って全国優勝しました。優勝旗とともに凱旋して郷土文化会館の広場でおこなった優勝報告会にはたくさんの人が集まり、そして中学生だったわたしも友だちと自転車で駆けつけました。

その蔦監督は「たかが野球、されど野球」と語ったと伝えられています。高校の部活動としての野球、その野球の奥深さ、野球というスポーツを通じての人間的成長、のようなものを先生として語ったんだと思います。

広報にとっても、たかがクリッピング、されどクリッピング、です。

*2011年6月13日に目黒広報研究所に投稿したブログを一部加筆修正して掲載しています。

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