経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

ハイライト
2012.05.09

プレスリリースは「見てもらえないもの」と考える

もうずいぶん前のことになりますが、2007年3月31日付朝日新聞土曜朝刊別刷り「be」にアートディレクターの佐藤可士和氏のインタビューが掲載されていました。SMAPのCDジャケットのデザインや明治学院大学のブランド作りなどで有名な人です。

その記事の中で氏は、自らの仕事はコミュニケーション・コンサルタントであって、「相手から答えを引き出すこと」であり、「本当はあなた、こうしたいんじゃないの?ということをズバッとつかんで、鮮やかに解決したい」と言っています。

当時独立して一年が経とうとしていたわたしは、分野は違うけどそんなふうに仕事したいなと思って、記事を残しておきました。

そのインタビューは、なぜ人の記憶に残る広告が作れるのか、という問いに対し、「僕が『広告は、見てもらえないもの』だと思って、作っているからでしょう。」とパラドキシカルに答えるところから始まります。

「多くの広告は、見てもらえるという前提で作られてる。だからどうしても、あれも言いたい、これも入れたいと欲が出る。でもそれ以前に、とにかく目や足を止めてもらわなきゃならないのに。それには広告に、価値を与えなきゃだめです。」

実際にどうすればよいかについては、「とことん本質に向き合うこと」であり「本質をつかんだら、余計なものは徹底的にそぎ落とす」ことだといいます。

これは広報にも当てはまります。広告の部分をプレスリリースに置き換えて読んでみます。

プレスリリースは「見てもらえないもの」と考えてみます。記者のもとには一日に何十も何百も来るのだから。見てもらうためには、プレスリリースに価値を与える必要があります。では、プレスリリースに価値を与えるものは何か。

第一に言うまでもなくニュース素材の中身そのものです。ニュース素材の本質をつかみ、その本質を際立たせる情報以外は思い切って捨てる。タイトルも大事。本質をきちんとつかめばそれも自ずと決まってくるものです。

そしてもうひとつ。それは広報と記者の信頼関係です。一部の有名企業以外は、記者や編集者と何らかの形でコミュニケーションがとれていないと、いくら弾丸のようにプレスリリースを送ってもメールをポチっとさえしてもらえません。すべては、一対一の人間関係から。記者との良好なリレーションを作ることが、プレスリリースに価値を与えてくれます。

広報に真剣に取り組もうとしている企業や団体は、短期に成果を得ようとせずに、ある程度長期的な視野でメディアとの信頼関係を築いていくべきだと思います。

*2011年3月28日に目黒広報研究所に投稿したブログを一部加筆修正して掲載しています。

上に戻る↑

会社情報

広報・PR主導のコンテンツ駆動型コミュニケーション

わたしたちからのメッセージ

正確でわかりやすい情報を社会に発信することは、いまや企業の経営を強くする上で最優先に考えなくてはならないものとなりました。これは、民間企業だけでなく、組織の運営基盤という観点から大学をはじめとする教育機関や公共機関にもいえます。その一方で、メディアの多様化により情報発信の方法は手軽になりましたが、発信する情報の質がより一層問われる時代になったと感じます。

プラスワンコミュニケーションズの特徴は、この発信する情報の中身(コミュニケーションコンテンツ)をお客様といっしょに徹底的に考え、訴求シナリオを作り、戦略的なコミュニケーション活動の具体的な施策を立案できることです。


…続きを読む »

ブログ

IBM新本社を訪ねる

日本アイ・ビー・エムの新本社を訪ねた。虎ノ門にある。

ぼくは1991年から96年までIBMの箱崎事業所に勤務していたが、 …続きを読む »

お知らせ

18年

昨年はプロ野球の阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝し、余勢を駆って日本一になりました。 …続きを読む »

ブログ

広報の仕事の入出力モデル

広報の仕事、とりわけマスメディアとの関係性を説明するとき、基本的な考え方や具体的な事例だけでなく、y=ax という関数を下敷きにした説明を加えるようにしている。広報のように毎日さまざまな相手と込み入った案件を扱う仕事を理解するには、その仕事の内容をいったん抽象化することで本質を捉える必要があると考えるからだ。 …続きを読む »

ブログ

吉田に久蔵を見た

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が日本の優勝で幕を閉じた。1次ラウンドの韓国戦こそちゃんと観戦できなかったが、今日の決勝まで、どの試合もエキサイティングなイベントであった。 …続きを読む »

ブログ

生成AI

生成AIがにわかに表舞台に飛び出してきた。先日テレビで見たオードリー・タンと落合陽一の対談でも、2人ともChatGPTを使っていると言っていた。わたしも影響されて早速Bingで登録、先日から使えるようになった。 …続きを読む »

お知らせ

歳末の候


2022年も暮れようとしています。とにかく時があっという間に過ぎる。 …続きを読む »

お知らせ

20年を目指します

当社は今年度、おかげさまで17期目を迎えることができました。 …続きを読む »

会社情報

会社概要

オフィスの住所が変わりました。

会社名

株式会社プラスワンコミュニケーションズ
PlusOne Communications, Inc

事業内容

広報コンサルティング事業およびコミュニケーション活動支援事業

設立

2006年5月 …続きを読む »

サービス

サービス内容

25年以上にわたる広報・マーケティングの経験を生かし、次のようなサービスをご提供します。

・広報コンサルティング
・プレスリリース作成
・ユーザー事例コンテンツ作成
・イベント/セミナーレポート作成
・翻訳/トランスクリエーション
・講師

ブログ

奴雁の役割

福沢諭吉は、イギリス型議会政治の実現に向けて立憲改進党を結成したばかりの大隈重信に政治家への転身を促されたが、在野の言論人をつらぬいた。このような決断のバックボーンには、福澤の「学者は国の奴雁なり」という考え方があるということを知った。 …続きを読む »

ブログ

「地方紙は死ねない」

NHKのドキュメンタリー番組でおもしろそうなものはかたっぱしから録画するのだが、ついついたまってしまう。別に時間がないわけではないのに、その時には絶対見なきゃと思っていたもの、例えば盛夏に放送される戦争関連のドキュメント、などは放っておくとタイミングを逸してハードディスクに置きっぱなしになる。 …続きを読む »

お知らせ

設立15周年を迎えてました

うっかりしていましたが、当社は今年5月で設立15周年を迎えました。

2006年と言えばふた昔前の00年代。平成の18年。ぼくの世代が懐かしむといえば昭和ですが、 …続きを読む »

上に戻る↑

プライバシーポリシー | サイト利用規約