経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワン・コミュニケー ションズ

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2013.09.30

アタラシイニホンゴ

長いこと広報の仕事をしていると、どうしても言葉に関するニュースや生活の中で聞こえてくる言葉に興味をもってしまう。

ちょっと前に、NHKテレビでわかりにくいカタカナ語が乱用されて精神的苦痛を受けた、と視聴者が訴訟を起こしたという報道があった。不必要な外来語への言い換えが急速に進んで日本語が失われていくという危機感を持ったという

わたしはIT企業の広報が長く、いまもIT関係の仕事が多いので、外来語の扱い方には問題意識をもってきた。このブログでも以前、カタカナ表記について書いたけれど、コンピューター用語はほとんどが外来語である。ニュースリリースを書くときなど、油断するとカタカナだらけになってしまうので注意しなければならない。

特に新聞社中心の記者クラブに配布するときはとても気をつかった。一方で、カタカナの専門用語をなるべく排除した文面を追及していたら、今度はIT専門誌の編集者から「逆にわかんないよ」と言われたこともある。バランスも大事なのであります。

たしかに、訳知り顔で横文字を連発する人をうさんくさく感じるときが、少なからずある。今もこの文章を書いている共有オフィスの後ろの席で、外資系企業の社員と思われる人のカタカナだらけの会話が聞こえてくるけれど、決して耳障りのいいものではない。自分としては、できるかぎり日本語を正しく使いたいという気持ちを持っている。

しかし、日本語は、外来語である漢字を取り入れて、そこからひらがなやカタカナを生み出した懐の深い言語である。いまはわかりにくい外来語も、そのうち時代の流れとともに淘汰されていき、本当に必要な言葉は日本語として堂々と生き残る。上で無意識に書いた「バランス」は、均衡と書くより伝わりやすいのではないか。必要に応じて、場をわきまえて、使えばよいのだと思う。クリエイティブディレクターの岡康道氏が新聞のインタビューで、「カタカナ語も新しい日本語表現として面白がって使っていけばいい」と語っていたが、わたしはこの意見に同意する。

面白がるといえば、中高生が使う略語。高校生の娘の話を聞いていると、唐突に略語が出てきて、すぐには理解できないことがある。

ちょっと思い出すだけでも、「スクバ」「タンプレ」「キミトド」「ヨニキミョ」などがある。ちなみに元の言葉は次のとおり。

スクバ = スクールバッグ
タンプレ = 誕生日プレゼント
キミトド = 「君に届け」(漫画)
ヨニキミョ = 「世にも奇妙な物語」(テレビ番組)

個人的に極めつきだったのは「ゲキブノイチコウ」で、「それ何?」と聞いてみると「演劇部の一月公演」の略であった。自分たちのコミュニティの中で通じればよいのだから、自由に略せばいいと思うんだけれど、親に向かっていきなり「ゲキブノイチコウがさあ」と言われてもわけがわからない。

でも、これらの略語はなんともいえない珍妙な響きになるので、面白がって聞いている。最近のお気に入りは「モニコ」である。吉川晃司のデビュー曲ではない。モーニングコールの略である。友だちと遊ぶ約束をするときに「明日起きられないかもしれないからモニコして!」などと使う。友だち同士の内輪で使うのだから自由にやればよい。

大人の世界でも略語はある。もしかしたら大人になってからのほうが略語を使う場面が多いのかもしれない。しかし、その大部分は、会社でしか通用しないものだったり、業界用語だったりする。つまりは内輪の言葉である。

広報の仕事でいえば、ニュースリリースなどで英略語や業界用語を使わざるをえないときは、必ず展開して元の言葉を示したり、用語説明を入れたりして、読む相手への気配りを忘れないことが大切だ。相手がわからない言葉は使わないように努力するのが大人であります。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

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