経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワン・コミュニケー ションズ

ブログ
2012.07.12

ローリング・ストーンズを巧みにPRした男

ローリング・ストーンズの初期のマネージャーであるアンドリュー・ルーグ・オールダムは、PRマンとしても優れた才能を持っていた。ビートルズという人気も実力も圧倒的に先行するバンドが存在する中で、戦略的なPRを展開してストーンズのポジションの確立に成功した

二十歳になるかならないかのやり手マネージャーがとったPR戦略は、おおまかにいうと2つだ。ひとつはわかりやすい対立軸の構築、もうひとつはメディアの徹底利用である。

・わかりやすい対立軸によるポジショニング

ローリング・ストーンズ30年史「ノット・フェイド・アウェイ」(同朋舎出版、1993年)によると、「クリーンで少年聖歌隊的なイメージ」のビートルズと反対に「下品で猥褻で、何をしでかすか分からない悪党のイメージ」に定着させることが、オールダムが考えた売り込み戦術だった。

具体的には、きれいに櫛が通ったマッシュルームカット vs 整えられていないボサボサの長髪、そろいのスーツ vs だらしがない服装、如才ない受け答え vs 無愛想な態度、などビートルズの対極としての存在に位置づけ、後発であったストーンズを世の中に売り込んだ。もちろん、これらの特徴はストーンズのありのままだったのだけれど、それを巧みに際立たせることでわかりやすい対立軸をつくった。対立軸の構築は、現在でも、市場で先行するプレイヤーがいる場合にしばしば使われる手法である。

・メディアがニュースにしたくなる素材の提供

オールダムは貪欲にメディアを利用した。キース・リチャーズの自伝「ライフ」(楓書店、2011年)にこんなエピソードが紹介されている。「ホテルを追い出されたあと、ガレージの前庭に小便したりした。ブリストルのグランド・ホテルに行って、わざと追い出される。アンドルーがマスコミに電話をかけ、ストーンズがグランド・ホテルから追い出されるところを見たかったら、これこれの時間にあそこにいろと教える。当然『あなたは自分の娘がストーンズの一人と結婚するのを許しますか?』みたいな反応が起こってくる」

わたしは、この内容そのものがいい作戦だったといっているのではない。相手もゴシップ紙だったろう。しかし、どんな情報を提供すればメディアが記事を書くのか、見出しが立つのかを、直感的にわかっていたのか、あるいは相手のメディアを研究していたのだと考える。メディアとも良好な関係を築いていたにちがいない。メディア研究とメディアリレーションの構築は今でも広報・PRの基本である。

ここからは個人的な話です。

ローリング・ストーンズというロックバンドの存在を知ったのは徳島に住んでいた1981年、中学2年生の時だった。1年生で東京に引っ越していった友人が遊びに来たときに「刺青の男」という新譜を持っていた。なぜ旅行にLPレコードを持っていたのか謎だ。でも、事実持っていた。そのレコードをソニーのBHFというカセットテープに録音させてもらって聴いたのが、最初のストーンズ体験である。1曲目の「スタートミーアップ」のイントロと2曲目「ハングファイヤー」のスタンスパンというドラムにノックアウトされた。翌年に発売された「スティルライフ」というライブアルバムを、はじめて自分で買った。

しかし、本格的にわたしをストーンズという沼地にはめ込んだのは、「カモン!ザ・ローリング・ストーンズ」というAMラジオの特別番組だった。たぶん1982年の放送だったと思う。文字通り「ストーンズを日本に呼ぼう」というテーマだった。パーソナリティーは渋谷陽一と大貫憲章だ。60年代と70年代の代表曲をかけながら2人が語る、ストーンズのエピソードやストーンズまわりの話に夢中になった。初期リーダーのブライアン・ジョーンズの脱退と死のこととか、映画「太陽を盗んだ男」で沢田研二が原爆を作って政府に「ローリング・ストーンズを日本に呼べ!」と要求するんだよね、とか。なにか退廃的でミスティアリアスな感じに興奮した。

この番組をテープに録音して擦り切れるほどくりかえし聴いたら、本当に擦り切れた。切れたテープをボンドでくっつけて、また聴いた(ほんとです)。だから、尾崎亜美の「オートラマに会いに来い(愛に恋)」というCMまで覚えてます(笑)

「スティルライフ」のライナーに「もうSTONESも終りにちかい。50才になったMICKを見たいとも思わない」と書いてあって、中学生のわたしも「まあ、そんなおじさんになったら解散してるかもな」くらいに思っていたけれど、自分は当時のミック・ジャガーの年齢をとっくに越え、そのミックは来年古希でストーンズはなお現役だ。

以上長くなりましたが、この場をお借りしまして、ローリング・ストーンズの初ステージから50周年、本日はまことにおめでとうございます。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

上に戻る↑

会社情報

広報・PR主導のコンテンツ駆動型コミュニケーション

わたしたちからのメッセージ

正確でわかりやすい情報を社会に発信することは、いまや企業の経営を強くする上で最優先に考えなくてはならないものとなりました。これは、民間企業だけでなく、組織の運営基盤という観点から大学をはじめとする教育機関や公共機関にもいえます。その一方で、メディアの多様化により情報発信の方法は手軽になりましたが、発信する情報の質がより一層問われる時代になったと感じます。

プラスワン・コミュニケーションズの特徴は、この発信する情報の中身(コミュニケーションコンテンツ)をお客様といっしょに徹底的に考え、訴求シナリオを作り、戦略的なコミュニケーション活動の具体的な施策を立案できることです。


…続きを読む »

サービス

広報誌のプロデュース

お客様のメッセージとお客様のお客様のメッセージを組み合わせて、できるだけニュートラルな内容で訴求する広報誌のプロデュースを行っています。 …続きを読む »

お知らせ

体験講座に登壇します

大阪で開催される体験講座に登壇します。テーマは「広報担当者のためのメディアリレーション基礎&組織における広報の重要性」です。 …続きを読む »

ブログ

沈着冷静 先手必勝

経済誌のオンライン編集長がセミナーでお話しされるというので、八重洲まで出かける。今にも降り出しそうな9月某日。広報の仕事に携わる者は、メディア、報道への興味を決してなくしてはならぬ。氏には米系コンピューターメーカーで広報の仕事をしている時にお世話になった。 …続きを読む »

サービス

複眼のユーザー事例コンテンツ作成

ユーザー事例のコンテンツ作成を本格的に開始しました。当社の事例作成のプロセスと特徴は以下の通りです。 …続きを読む »

お知らせ

宮城県広報研修会

宮城県行政庁舎(田中写す)

本日、宮城県庁で開催された「宮城県広報研修会」にて、メディアリレーションについての120分の講演を行いました。会場となった庁舎1Fのみやぎ広報室には、県市町村の広報業務に関係する担当職員の方々約100名が集まり、熱心に話を聞いていただきました。 …続きを読む »

お知らせ

逢福

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

逢福:幸福にめぐりあうこと

お知らせ

夏の講義行脚のテーマ

ここ1ヵ月の間、名古屋、大阪、東京で企業や各種団体の広報担当者の方々に向けて、メディアリレーションズを中心とした広報のお話をしてきました。

広報の仕事のやり方は、十人十色、百人百様、千差万別。それに、扱うコンテンツや人間関係、タイミングなどで情報の出し方もアウトプットもいろんな形に変化します。 …続きを読む »

お知らせ

設立10周年を迎えました

当社は今月、設立10周年を迎えました。

それまでの企業広報の経験を生かしたサービスを提供してお客様のビジネスに役立ちたいと思い、2006年から会社を運営してきましたが、この10年で広報をはじめとする企業コミュニケーションを取り巻く環境は大きく様変わりしました。 …続きを読む »

お知らせ

メディアリレーションズ実践講座で思うこと

3年ほど前に宣伝会議主催の講座で講師を担当することになった時、「メディアリレーションは広報の要」であることを柱として「広報の仕事は楽しい」ということを受講生の皆さんに伝えようと決めました。 …続きを読む »

ブログ

歳美

旧知のジャーナリストが毎年の習慣にしていると聞いて、元旦の朝刊を読み比べた。近所のコンビニエンスストアで買える全国紙、経済紙、ブロック紙の合計6紙を2日間かけてゆっくりと読む。 …続きを読む »

お知らせ

広報担当者養成講座@名古屋

本日、宣伝会議主催の広報担当者養成講座・名古屋教室におきまして、「報道対応」の講義を担当いたしました。 …続きを読む »

ブログ

真善美

早坂暁原作・山田洋次監督の映画「ダウンタウンヒーローズ」(1988年・松竹)で「真善美」という言葉を知った。この映画は旧制松山高校(愛媛大学の前身)の寄宿舎を舞台に、寮生のバンカラな生活を描いた青春群像劇である。 …続きを読む »

お知らせ

講師のお仕事@猛暑日

本日は、メディアリレーションズ実践講座の講師で、東京・青山の宣伝会議本社に行ってきました。朝から暑さ全開と思っていたら、東京は今日で5日連続猛暑日。記録更新だそうです。明日からも暑さに負けず、熱い思いで仕事に取り組みたいと思います。

上に戻る↑

お問い合わせ | プライバシーポリシー | サイト利用規約