経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワン・コミュニケー ションズ

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2012.06.01

「理科系の作文技術」で学ぶべし(其の一)

中公新書のロングセラー「理科系の作文技術」(木下是雄著、1981年刊行/2001年改版)は、広報・PRに関わる人にぜひ読んでもらいたい本であります。物理学者である著者が、簡潔・明快な文章を書く心得と技術を、簡潔・明快に書いています

わたしはこの本を読んで、ガンガンひざを打ってアザができそうになりました。技術者や研究者に向けての仕事文書(論文、報告書、仕様書、説明書など)の書き方指南なのですが、わたしたちがプレスリリースなどの広報資料を作成するときのポイントと共通点がたくさんあります。

盛りだくさんなので、今回と次回にわけて、広報仕事に役立つ本書のエッセンスを紹介します。今回は「巨視的な」心得、次回は「微視的な」技術です。おもしろいなと思ったら、ぜひ本を通読してください。通読してはじめて、仕事に生かせると思います。

この本は、「いい文章」ではなく「明快な文章」を書くことを目標としているのが特徴です。つまり、他人に読んでもらえるだけでなく、誤解なく正確に伝える文章を書けるようにするということです。広報・PRの人に必須のスキルです。

「巨視的な」心得として、「一文書一主題」、「重点先行主義」の二つを紹介しましょう。

著者は、読んでもらえる文書の大前提として、「一つの文書は一つの主題に集中すべきものだ」と言い切っています。なぜかというと、「別の主題が混入すると、読者に与える印象が散漫になり、文書の説得力が低下する」からです。

これは、報道発表資料としてのプレスリリースの原則でもあります。一発表一ニュースでないと、受け取る記者や編集者にとってなにがニュースなのかが わかりにくくなってしまう。もちろん、複数のニュース素材であっても、それらを串刺しにして一つのニュース素材となりうる場合もあります。そのあたりは広 報の腕の見せどころです。

次に、文書を読んでもらえるかどうかは表題と最初の段落にかかっている、ということです。本書には、「内容にピッタリの表題を選び、表題か、あるい は書出しの文を読めばその文書に述べてある最も重要なポイントがわかるよう配慮すべきである」とあります。タイトルと第一段落は、プレスリリースを書く上 でもっとも熟考しなければならない箇所です。

なぜそうすべきなのか。それは、「相手(読者)はまっさきに何を知りたがるか、情報をどういう順序にならべれば読者の期待にそえるか、ということに 対する配慮」が必要だからです。ここでいう「相手(読者)」は、学術論文でいえば指導教授、仕事の報告書では上司ということが多いでしょう。プレスリリー スでいえば最初の読者はメディアです。

この二つのポイントは当ブログでも散発的に書いてきましたが、この本を読んで自分自身もあらためて肝に銘じました。

それにしても、もっと早くこの正鵠を射た文章読本と出会いたかった。おとなになると「もっと若いときに読んでおけばよかったなあ、ほんとに」と思うことが多くていやんなっちゃいます。個人的には、「三四郎」とか「学問のすすめ」とか「エースをねらえ!」とか。

次回も、「理科系の作文技術」で学ぶべし、つづけます。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

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