経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

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2012.04.19

広報の仕事は事務作業の集まりではない

月刊広報会議5月号に「協力者を増やす 広報チームのつくり方」という特集が掲載されている。ここでいう協力者とは主にPR関連会社のことで、記事ではパートナリングがうまくいった企業の例などが取り上げられている。

この特集の中で興味深いデータが紹介されている。広報業務における業務委託に関して、編集部が210社から調査したアンケート結果だ。その中で、外部のパートナーと組む理由・目的については、「業務効率化」「効果最大化」「人手・時間不足を補う」が上位であった。

「効果最大化」にも「少ないお金と少ない労力で」が見え隠れしてそうだ。としたら、企業は業務の作業分担を主な目的として、PR会社に業務を委託しているということだろうか。このアンケート結果だけではわからない。しかし、委託内容についての回答で「リリース配信」と「クリッピング」がダントツのトップ2であったことが、それを裏付けるかのようだ。

一部の大企業を除けば、ひとり広報やひとりマーケティングを余儀なくされているケースも多いだろうから、効率を重視するのもやむを得ない部分があるだろう。それに、リリース配信やクリッピングが多いのは、それぞれの業務を個別の専門業者に委託しているのかもしれない。

しかし、広報の仕事は事務作業の集まりではない。ひとつひとつの作業が関連しあって業務が形成されている。たとえば、プレスリリースの作成・配信・質問対応・取材設定・フォロー・記事掲載確認は一連の流れである。この流れが悪くなり、どこかで滞留してしまうと、メディアのテンポにあわなくなり、広報体制に疑問を持たれてしまうだろう。

わたしは、作業分担ありきでパートナーを選定しないことが、うまく機能する広報チームをつくる肝心要ではないかと考えている。

広報体制を強化するとき、企業の担当者はプロデューサーである。ただ業務を右から左に渡すだけのディスパッチャーであってはならない。広報を強化して、なにを達成したいのか、どんな結果を出したいのか、会社がどこに向っていくのか、方向性を示す人である。必ずしも広報の知識は必要ないとさえ思っている。なければ、広報の専門的なところはパートナーにまかせればいいのですから。

作業分担はあとからついてくる。ゴールが共有できていれば、日々の活動を行うなかで、適材適所、やるべき人がやるべき仕事をやるようになるものである。ゴールの共有はチーム仕事の黄金律である。

次に、どうやって強いチームを実現するパートナーを選ぶのかが問題となる。広報の仕事は企画一発勝負でないことが多いので、企業側も外部からサポートする側も、実際に仕事をしてみないとお互いにわからない部分があるからだ。次回に考えてみたいと思います。

ところで、この特集に関して、わたしも取材に対応させていただいた。「日本IBMやサン・マイクロシステムズ日本法人広報担当を経て、主にIT企業のPR支援を行うある担当者」のコメントとして一部発言を引用いただいております。ちょっとアレだな、上半身だけ裸って感じ?(笑)

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

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