プレスリリースの話をつづけます。実務編です。
財団法人地方自治情報センターは3月18日、地方公共団体から発信される情報のファイル形式について、文書ファイルはHTML、スキャンファイルはJPEG、表形式ファイルはCSVを使い、容量が大きいPDFやExcelは避けましょうと呼びかけた。詳細はこちらで。
これは「被災して情報を取得することが困難な状況にある地方公共団体に向け」発信されたものである。しかし、その他の政府・官公庁、企業でもプレスリリースやIR資料などさまざまな公開情報をPDFでホームページにアップしているところが少なくないとすると、緊急事態でなくとも一考の余地があるでしょう。
情報を受け取る相手の環境に想像を巡らすことが必要であるという点では、プレスリリースをメディアに送る方法にも同じことがいえる。
結論から言ってしまえば、メールで送付するプレスリリースはテキストで送るのが原則だろう。多くの記者に何度聞いてもいつも答えが同じである。添付ファイルだけで送られてきたものはどんなものでも開かないという人もいる。
携帯電話に転送している人も多い。5年前に買ったPHSを使い続けているわたしでも、スマートフォンでPDFが読めることくらいは知っている。でも、みんながスマートフォンを使っているということはないはずだ。
しゃれにならない話としては、海外でWordファイルの修正履歴付でプレスリリースを配信してしまったという事件も聞いたことがある (アメリカの有力経済紙がそれを取り上げたとかなんとか)。
情報発信や伝達の方法が多様化したり手軽になったりしても、相手の置かれた状況をよく考えて (想像をはたらかせて) コミュニケーションするというのは、今も昔も変わらないはずである。
プレスリリースをPDFで送るのはやめましょう。
*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。