外資系企業向けのお話をひとつ。今後、外資系IT企業の広報が出くわしそうな話題も拾っていこうと思います。
以前のエントリーで、英文のプレスリリースを吟味しないで翻訳して垂れ流しにしてもゴミになるだけですよお、というようなことを書いた(翻訳リリースと「おおかみ少年」)。
そうはいっても、四の五の言わずにやらなきゃいけないときもある。日本法人ですからネ。それに、なかには日本市場にも少なからず影響があるものもある。たとえば、その会社のグローバル戦略を推し進める新しい重要施策の発表ならば、すみやかに翻訳してメディアにお知らせしたい。しかし、例によって原文は長いし、全文訳を読んでもどうも冗長でさえない。このままではとても使えない。
では、少しでもましな翻訳資料にするには、具体的にどうすればいいか?
以下、実際にわたしが取り入れている抄訳方法を参考までに。
・まず、「~が述べています」というコメントを削除する
・無意味な形容詞、空疎な修飾語は無視して訳さない
・原文に忠実に訳してわかりにくいものは原文に戻り、何を言おうとしているのか日本語で考えて日本語で作文しなおす
・段落を重要な内容のものから順に並べかえてみる
・場合によっては、大見出しと小見出しを入れ替えてみる
コメントについては、CEOのものは残したり、本文で記述してあることの言い換えでなくて意味のあることであれば地の文に展開したりする場合もある。タイトルについては、大見出しは抽象的なことが書いてあり、小見出しにニュースのポイントが書かれている場合があって、さかさまにするとしっくりくることがある。
ちょっと極端かもしれないけれど、これを全部または一部やってみるとだいぶポイントがしぼれて読みやすくなる。ちょっとは目を通してもらえる資料になるのではないだろうか。
ただし、やってみたら第一段落しかなくなっちゃったという笑えない話も!それはすなわち中身がないことに他ならないため、そのときは潔く翻訳するのをやめましょう。
*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。