村上春樹氏の小説「ねじまき鳥クロニクル」に出てくる科白です。
とかく対外的な観点から語られやすい広報業務ですが、社内での地道な仕事が土台になっています。
広報担当者の大事な仕事として、社内にあるニュースの素材を収集する、あるいは見つけ出すということがある。社内の各所から情報が広報に集まってくる仕組みをつくれるか、広報に相談すれば効果的に情報発信してくれるという信頼関係をつくれるか、そして、会社の活動を正しく広報することが安定した経営の基盤になることを社員にいかに理解してもらうか。広報は会社の参謀であり、社内の情報基地でなくてはならない。
もちろん、社内でも声の大きな部署からは、価値の高い情報からそうでもないものまで情報が集まってくることだろう。広報担当者はその情報を、半分は会社、半分は社会の視点で見極め、魅力を引っ張り出すことが求められる。
しかし、ニュースになりうる素材が社内の片隅で埋もれている場合がけっこうある。あるいは、当事者からするとあたりまえのことに思われて価値に気づいておらず沈黙している場合がある。そんな素材をいかに発掘し、対外的にわかるように翻訳し、価値ある情報に仕立てることができるか。
「良いニュースはいつも小さな声で語られる」
この感性をもって社内での情報収集にあたれば、すこしでも発信量を増やすことができるかもしれません。
*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。