経営を強くする広報コンサルティング|株式会社プラスワンコミュニケー ションズ

ブログ
2010.10.26

翻訳リリースと「おおかみ少年」

外資系企業の日本法人広報にとって、海外本社が出すプレスリリースの使い道はけっこう悩ましいのではないでしょうか。どうも海外、特に米国ではプレスリリースで取り扱う内容がある意味幅広いようで、どうみてもニュースと思えないものも出しています。

その中でも、「モメンタム」っていうんですか、これがわたしにとっていつまでも謎です。最初は軟膏の一種かと思いましたし(嘘)。

「momentum」 辞書を引くと、勢い、機運、気運、契機などの意味が書いてあります。

確かにこの手のプレスリリースにはたいてい、「うちの会社はこんなにすごいんだ」「この製品はこんなにすごいんだ」という内容がこれでもかと書かれています。会社の勢いを伝えたいんですね。気持ちはわからないでもない。でも新しいことは書かれていない。これをメディアにどう扱ってほしいのかがうまく理解できないのです。

「モメンタム」リリースは確かに存在している。需要と供給が成立しているから存在しているとしたら、海外の記者はこの「モメンタム」をもらってどうしてるんでしょう? 謎は深まるばかりです。

つい先日、旧知の出版社のデスクに聞いたところ、日に200通のプレスリリースと称する文書がメールで届くといいます。ネットメディアでは、いわゆるプレスリリース受付窓口には1,000通以上が送られてくるとも聞いています。

この中からピックアップされる存在になるだけでもたいへんなのに、意味不明のリリースをバッティングセンターのピッチングマシンのように投げつけているとどうなるでしょう。

海の向こうからオフィスの中からとどうしても抗えない力がおよんでくるときもあるでしょう。そんなときは、参考資料としてホームページに載せるだけにするとか、お客様やパートナーには有効な内容であればお客様向けニュースレターに要点を掲載するとか、こんな活用方法もあります。

「モメンタム」に限らず、きちんと取捨選択できていない翻訳リリースや日本発のものでもニュースのポイントがわかりにくいものを乱発していると、本当に報道してほしい、そしてその価値がある発表をしたときには、時すでに遅し。読まれずにごみ箱直行の存在になってしまっていて。。。あぁ。

なんだか、イソップ童話の「おおかみ少年」のお話を思い出します。気をつけないと。

*目黒広報研究所に投稿したブログを転載しています。

上に戻る↑

会社情報

広報・PR主導のコンテンツ駆動型コミュニケーション

わたしたちからのメッセージ

正確でわかりやすい情報を社会に発信することは、いまや企業の経営を強くする上で最優先に考えなくてはならないものとなりました。これは、民間企業だけでなく、組織の運営基盤という観点から大学をはじめとする教育機関や公共機関にもいえます。その一方で、メディアの多様化により情報発信の方法は手軽になりましたが、発信する情報の質がより一層問われる時代になったと感じます。

プラスワンコミュニケーションズの特徴は、この発信する情報の中身(コミュニケーションコンテンツ)をお客様といっしょに徹底的に考え、訴求シナリオを作り、戦略的なコミュニケーション活動の具体的な施策を立案できることです。


…続きを読む »

ブログ

IBM新本社を訪ねる

日本アイ・ビー・エムの新本社を訪ねた。虎ノ門にある。

ぼくは1991年から96年までIBMの箱崎事業所に勤務していたが、 …続きを読む »

お知らせ

18年

昨年はプロ野球の阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝し、余勢を駆って日本一になりました。 …続きを読む »

ブログ

広報の仕事の入出力モデル

広報の仕事、とりわけマスメディアとの関係性を説明するとき、基本的な考え方や具体的な事例だけでなく、y=ax という関数を下敷きにした説明を加えるようにしている。広報のように毎日さまざまな相手と込み入った案件を扱う仕事を理解するには、その仕事の内容をいったん抽象化することで本質を捉える必要があると考えるからだ。 …続きを読む »

ブログ

吉田に久蔵を見た

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が日本の優勝で幕を閉じた。1次ラウンドの韓国戦こそちゃんと観戦できなかったが、今日の決勝まで、どの試合もエキサイティングなイベントであった。 …続きを読む »

ブログ

生成AI

生成AIがにわかに表舞台に飛び出してきた。先日テレビで見たオードリー・タンと落合陽一の対談でも、2人ともChatGPTを使っていると言っていた。わたしも影響されて早速Bingで登録、先日から使えるようになった。 …続きを読む »

お知らせ

歳末の候


2022年も暮れようとしています。とにかく時があっという間に過ぎる。 …続きを読む »

お知らせ

20年を目指します

当社は今年度、おかげさまで17期目を迎えることができました。 …続きを読む »

会社情報

会社概要

オフィスの住所が変わりました。

会社名

株式会社プラスワンコミュニケーションズ
PlusOne Communications, Inc

事業内容

広報コンサルティング事業およびコミュニケーション活動支援事業

設立

2006年5月 …続きを読む »

サービス

サービス内容

25年以上にわたる広報・マーケティングの経験を生かし、次のようなサービスをご提供します。

・広報コンサルティング
・プレスリリース作成
・ユーザー事例コンテンツ作成
・イベント/セミナーレポート作成
・翻訳/トランスクリエーション
・講師

ブログ

奴雁の役割

福沢諭吉は、イギリス型議会政治の実現に向けて立憲改進党を結成したばかりの大隈重信に政治家への転身を促されたが、在野の言論人をつらぬいた。このような決断のバックボーンには、福澤の「学者は国の奴雁なり」という考え方があるということを知った。 …続きを読む »

ブログ

「地方紙は死ねない」

NHKのドキュメンタリー番組でおもしろそうなものはかたっぱしから録画するのだが、ついついたまってしまう。別に時間がないわけではないのに、その時には絶対見なきゃと思っていたもの、例えば盛夏に放送される戦争関連のドキュメント、などは放っておくとタイミングを逸してハードディスクに置きっぱなしになる。 …続きを読む »

お知らせ

設立15周年を迎えてました

うっかりしていましたが、当社は今年5月で設立15周年を迎えました。

2006年と言えばふた昔前の00年代。平成の18年。ぼくの世代が懐かしむといえば昭和ですが、 …続きを読む »

上に戻る↑

プライバシーポリシー | サイト利用規約